スペインのアホ岬にある真っ白な古い灯台、ド派手に塗り直されて捜査まで開始に
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これはアートなのか? スペイン北部の大西洋岸で地方自治体が依頼した地元アーティストによるプロジェクトが物議を醸している。「地方あるある」な話かと思いきや、作品に負けない強烈な反応まで呼び起こす事態に──。
スペイン北部の緑濃き岬に鎮座して90年の灯台が、文化をめぐる騒動の渦中にある。地元のアーティストが灯台をド派手に塗り直し、灯りよりも台のほうがまぶしいという事態になり、反対派の顔色を青ざめさせている。
カンタブリア州アホ町の近くにあるこの灯台は、ほぼ1世紀のあいだ、寡黙で色味のない見張りとして大西洋上に光線を放ってきた。
それがいま、この高さ16mの塔は色とりどりの幾何学模様と動物たちで賑やかしいことになっている。発注者は地元自治体と港湾局で、スペイン沿岸部でもあまり知られていないこのスポットにもっと観光客を呼び込もうという目論見だ。
州政府によれば、マーケティングや現地イベントで集められたお金の一部は地元のフードバンクに寄付されるという。
最近完成したこのプロジェクト「果てしなきカンタブリア」は、州都サンタンデール生まれのアーティスト、オクダ・サン・ミグエルの作品だ。
「今回はカンタブリアの動物たちを登場させました──オオカミ、クマ、カモメ、ハゲワシです」とオクダは言う。
「色彩と幾何学が表しているのは土着の文化、多文化主義、自由です。天然の浜がまだあり、海岸ぎりぎりまで緑が広がっているカンタブリアのような場所の自然の素晴らしさや大切さも見せたかった」
反対署名から検察の捜査まで強烈な反応も
だが、誰もがオクダの情熱、あるいはその鮮やかな色彩の広がりに共鳴しているわけではない。
2020年、このプロジェクトが始まる前、模様替えは「アホ岬灯台の外観をまったく変えてしまう、カンタブリアの建築伝統を尊重しないもの」だから、灯台は白いままにしてほしいとの嘆願書に4000人近い署名が集まった。
5つの文化団体も地元首長に公開書簡を宛て、プロジェクトは「適切」だったか、灯台はこのような扱いをするベストな対象だったか反省するよう迫った。
最近では、「統一左翼」地方支部のメンバーが、この問題を地方検察に報告し、自治体と港湾局が文化遺産関連の法に違反していないか、権力を濫用していないか調べるよう求める事態にまで発展している。結果、捜査が開始されている。
オクダは、地元の一部のそうした反応にびっくりしたと言う。
「もちろん、批判は理解しています。ものごとをずっと変えずにいたいという人がいることも。でも、私の作品は、私の言葉と図像でもってその場所に新しい命を吹き込むものだと思っています」
人々の反応についてはどうしようもないと指摘したうえで、オクダは言う。
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