アメリカ東部ニューヨーク州でことし3月、黒人男性が警察官に地面に押しつけられ、その後、死亡していたことがわかり、遺族や市民団体が参加して警察の対応に抗議するデモが行われました。
ニューヨーク州北部のロチェスター市でことし3月、路上を裸で歩いていた黒人男性のダニエル・プルードさんが警察官に取り押さえられ、1週間後に死亡しました。
プルードさんの遺族は2日、記者会見を開き、情報公開法に基づいて入手した当時現場にいた警察官のボディーカメラの映像をメディアに公開しました。
映像からは、警察官が袋のようなものをプルードさんの頭にかぶせた後、プルードさんを地面に押しつけていたことがわかったとしています。
また、遺族は、地元の司法当局が作成したプルードさんの検視報告書も公開し、死因は体を拘束された状態での窒息をともなう合併症で、殺人にあたると記載されているとしています。
プルードさんは、精神疾患の診察を受けた後だったということですが、遺族は、手錠をかけられて身動きできない状態のプルードさんを地面に押しつける必要はなかったと訴え、地元住民や市民団体のメンバーとともに集会を開いて、警察の対応に抗議の声を上げました。
これについて、ニューヨーク州のジェームズ司法長官は3日、捜査を継続しているとの声明を出しました。
また、ロチェスター市のウォーレン市長も3日、急きょ記者会見を開き、当時現場にいた警察官7人の職務を停止したと発表するとともに、「プルードさんが白人だったら違う扱いを受けただろう」と述べ、黒人に対する人種差別が背景にあったという認識を示しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200904/k10012599781000.html
https://www.bbc.com/japanese/54008478
警察は午前3時過ぎ、雪が軽く降る中で裸で道路を走っていたプルードさんを発見
警察のボディカメラ映像では、全裸で走っていたプルードさんを発見した警官たちが、地面に横になり、両手を頭の後ろに持っていくようプルードさんに指示している。それに対してプルードさんは「もちろん、もちろん」と直ちに応じている。
その後、動揺し始めたプルードさんは自分を取り囲む警官たちを罵倒したり、つばを吐いたりしたが、暴れたり抵抗したりする様子は見えない。
プルードさんが新型コロナウイルスに感染していると告げたため、警官たちは「唾液防止フード」を頭にかぶせた。
