岡山桃太郎空港(岡山市北区日応寺)の在り方を定める基本構想の検討委員会は24日、同市内で第2回会合を開いた。同空港の持続的発展に向け、主力の東京線の増便やインバウンド(訪日外国人客)の回復、拡大を図る情報発信など、今後考えていく取り組みを提示。2040年度までの需要予測も示した。

 目指す方向性として「県民生活の向上」「地域経済の活性化」「にぎわい拠点の提供」「安全・安心の確保」「広域連携の推進」を位置付けた。実現に向けて検討するのは12項目で、東京線の増便や機材大型化、札幌線の搭乗率向上、東南アジア方面の新規就航を図る売り込み強化などを挙げた。飛行機に乗らない人の利用を増やすため、イベントや店舗機能強化によるにぎわい創出も盛り込んだ。

 需要予測は、新型コロナウイルスの影響も考慮し、3パターンを作成。コロナで急減した航空利用の戻りが早い場合は、40年度の旅客数が18年度比で1・7倍の272万人になるが、戻りが遅ければ1・1倍の167万人にとどまると見通す。

 この日は学識者や空港関係者ら委員14人が出席。方向性に対して「内容が包括的すぎ。もっと絞り込んだ方がいい」といった意見が挙がった。施設面では「観光需要促進を目的に、岡山を象徴するモニュメントを設置しては」との声もあった。

 基本構想は、老朽化が進む施設のリニューアルに加え、近隣の地方空港が相次ぎ導入している民営化も検討し、本年度内に策定する。次回は11月に開く。

 同空港は国内(東京、沖縄、札幌)、国際(上海、香港、ソウル、台北)の計7路線が運航。現在は新型コロナの影響で一部国内線を除いて運休している。

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