7月に金融庁長官に就任した氷見野良三氏は6日、日本経済新聞のインタビュー
に応じた。新型コロナウイルスの感染が続いている現状を踏まえ、日銀と連携
して大手銀行の財務の健全性を審査する考えを明らかにした。収益力が低迷する
地方銀行について「再編はひとつの有力な選択肢だ」と述べた。
新型コロナが世界経済に深刻な影響を及ぼしている。売り上げが急減している
企業も多く、金融機関は事業会社への資金繰り支援が求められている。氷見野
氏は「(資金繰り支援など)金融仲介と(金融機関の)健全性をどう両立させ
るかが課題だ」と指摘した。
今後は貸し倒れが増える恐れがある。「ストレステスト(健全性審査)をうま
く使いながら将来の可能性をみて施策を打っていくのが世界の共通認識だ」と
語った。
金融庁と日銀は2019年度にメガバンクをはじめ大手銀行を対象に、世界的な
不況や信用収縮を想定したストレステストを実施した。ただ新型コロナの影響
は織り込んでいなかったため、感染が継続した場合のシナリオをもとに自己
資本などに対する影響を検証する。実施時期は未定だが「緊急度の高い変化が
起これば1週間でもやる必要がある」と話した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62378170W0A800C2EE9000/