【南風原】国指定天然記念物のリュウキュウヤマガメがこのほど、沖縄県南風原町立中央公民館の裏で発見された。町職員からは「なぜ南風原に天然記念物のカメがいるのだろう」と驚いていた。
発見したのは7月2日、中央公民館の清掃員である大城恵さん(47)が公民館裏側で洗濯物を干していた時に見つけた。「ギザギザした甲羅のある珍しい小さなカメがいるのでほかの職員を呼んだ」
南風原町職員の津波古充晃さん(36)は「ペットで飼われているミドリガメではないと思い、インターネットや図鑑で調べたら、リュウキュウヤマガメにそっくりだったので驚いた」と語る。
津波古さんたちはその後県内の保護施設に連絡し、預けた。
「(公民館裏手の)黄金森に、天然記念物が生息しているのかと最初は職員一同驚いた」と振り返る。
甲羅の長さは5〜7センチほどで、保護施設によると生まれて約1年しかたっていないという。
リュウキュウヤマガメは本島北部や久米島、渡嘉敷島などに生息している。環境省那覇自然環境事務所によると生息地から人為的に運ばれ、放したのではないかと推測する。
担当者は「珍しいと思って捕って飼うケースや、密猟するケースがある。県外や海外で見つかったこともある」という。
今回見つかったリュウキュウヤマガメは生息場所が不明のため、放つことができない。
「生息地によって遺伝子の配列が異なるため、そのカメがいた生息地以外に放てば生態系に影響を及ぼしてしまう。人間による病原菌などが付着している恐れもある。天然記念物などは絶対に捕らないでほしい」と話した。
(金城実倫)
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