沖縄県名護市古我知区の民家の窓ガラスに28日午後、大きな衝撃音が響いた。家主の山城啓さん75がベランダに目を向けると、赤い色の鳥がぐったりしている。すぐにアカショウビン(カワセミ科)だと察した山城さん。
同時に、野鳥を捕まえるのが大得意の、10歳のオスの飼い猫「てん」のことが頭に浮かんだ。とっさにアカショウビンを保護し、部屋の中で介抱したという。

山城さんは「この時期は繁殖期。脳振とうを起こしたアカショウビンは、餌を探していた親鳥が迷って突き当たった可能性がある」と推測する。山城さんとアカショウビンの様子を、てんが軒下でうかがう中、アカショウビンは約1時間後に閉じていた目を開け、山城さんの指にかみつくまでに回復。元気を取り戻したため、同区の通称「ムナサバル(胸佐原)」で放鳥したという。

大きな赤いくちばしが特徴のアカショウビン。この個体は体重約300グラム、全長約28センチだったと話す山城さん。
「30年住んでいるが、野鳥が窓にぶつかったのは初めて。アカショウビンを方言でファールと呼んでいたが、おそらく『キョロロロ』という鳴き声が由来なのではと思う」と話し、「保護したファールがムナサバルの山奥へ瞬く間に飛んで行ったのは、何より」とうれしそうに話した。(玉城学通信員)

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