空は青く澄み渡る。芝生と黒土の匂いも心地よい。かつての“申し子”の帰還を喜ぶかのような甲子園。投手の指名練習に参加した藤浪は、終始リラックスした表情で汗を流し続けた。
「あまり空回りせず、いつも通り試合に入っていけたら。もちろん気合は入りますが、力み過ぎないことも心掛けて試合に臨みたい」。先発予定の23日広島戦へ。高ぶる感情を制御するように自然体を強調した。
昨季の1軍登板は1試合のみ。自身初の0勝を経験した。背水の覚悟で臨んだ今年は3月下旬、新型コロナウイルスに感染。5月下旬には遅刻が理由で2軍に降格した。負傷も乗り越え、ようやくつかんだ357日ぶりの1軍チャンス。逃す訳にはいかない。
右胸の筋挫傷から実戦復帰後は2軍戦4試合登板で計16イニング連続無失点。ここ数年の課題とされてきた対右打者も、角度のあるアウトロー球で次々に抑え込んできた。「全体的にいい状態」と手応えはある。
<今季の阪神藤浪>
▼コロナから復帰 3月26日深夜に新型コロナウイルス感染が判明し、翌27日から入院。4月7日に退院した後は自宅待機を続け、同24日から鳴尾浜で自主練習を開始。
▼練習再開後に好投 「分離練習」が再開した5月19日から甲子園練習に合流し、同23日から1、2軍に分けられた「集合練習」でも1軍練習に参加。同24日のシート打撃で67日ぶりの実戦形式のマウンドに上がり、打者5人に完全投球。
▼2軍降格 5月28日の1軍練習に遅刻。ペナルティーとして同29日から無期限の2軍降格となった。
▼緊急降板 6月3日のソフトバンクとの2軍練習試合(鳴尾浜)で降格後初登板も、右胸の張りを訴えて3回途中3失点で緊急降板。後日「軽度の右胸筋挫傷」と診断された。
▼無失点継続 6月19日の日本生命とのプロアマ交流戦で実戦復帰。7月16日の2軍オリックス戦まで復帰後4戦16イニング無失点。
叩きの矛先が変わり、元来のオラついた元気な様子を見せる藤浪投手
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阪神藤浪1軍復帰戦へ自然体 鈴木誠也との対戦注目
[2020年07月21日05時01分]
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