『JJ』編集長が語る、ファッション誌の進む道 「リアルなことじゃないと読者にはもう響かない」

■『JJ』らしさと現状

ーーもともとは大学生が、最近まではAround25がターゲットだった『JJ』ですが、ここ10年の間にターゲットや雑誌のスタイルを大きく変えているように感じます。特に2019年9月号〜12月号ではスナップも増え、表紙のイメージや特集の内容が大きく変わりました。きっかけはありましたか?

今泉:2019年9月号から読者ターゲットをaround25から大学生へと下げました。改めて読者を捉え直そうと、創刊号に近いイメージで0からやり直すことになりました。ターゲットを決め直し、その読者層が興味のあることを特集し、形にしていきました。
そのため2019年9月号では札幌から韓国まで国内外に関わらず700人弱のスナップを掲載、そして2019年11月号でターゲット層に合わせたファッション特集、2019年12月号では同世代のインフルエンサーや女優、アイドルのインタビューを掲載しました。さらにスナップを700人弱撮る中で、「今彼女たちが何を知りたいのか」をリサーチするなど、読者を捉えなおすということを実際の誌面を使って進めました。

ーー『JJ』らしさを損なわずにスタイルを変えていくことはとても難しいことかと感じます。実際に着手してみて、苦労したことはありましたか?

今泉:昔の話にさかのぼりますが、80〜90年代の『JJ』は東京生まれ東京育ちで、港区や渋谷区、目黒区に住んでいるような裕福な女子大生がターゲットでした。そういったことからも、品の良さや育ちの良さ、都会にいる感度の高さというのが『JJ』らしさだと感じており、そこは今も残しています。

(略)

今泉:そうですね。昔は、服を購入するのに駅ビルや百貨店で買う方が多かったと思います。今はそれが激減していて、百貨店は50〜60代がメインの購買層に。ギリギリ、ルミネが20代に支持されているという体感ですかね。こういった経緯もあり今の読者層は大手のアパレル会社が発信するスタイルにピンときていないのかなと感じてしまいます。
単純に値段が高く、トレンドが反映されるまでが遅いので「だったらもう韓国のECでいいじゃん」ってなってしまっているのが現実ですね。今の読者層はZARAでさえ高いと感じているんです。そこまでファッションにお金をかけたくないという感覚は、今の若い世代は実はもう“ファッションにそんなに興味がないのではないか”とも感じてしまいます。

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