暖房機器メーカーのコロナ(新潟県三条市)は、社員とその家族にあてた小林一芳社長のメッセージ広告を13日付の地元紙・新潟日報に掲載する。
社名が新型コロナウイルスを連想させることから、社員や家族が心を痛めているといい、関係者を励ます内容になっている。
メッセージ広告のタイトルは「コロナではたらくかぞくをもつ、キミへ」。小さな子どもに話しかける口調で、ひらがなとカタカナでつづられている。
新型コロナ感染拡大下での生活をねぎらうとともに、「もし家族がコロナで働いているということでいやな思いをしていたらごめんなさい」と
語りかけている。一方で、「コロナという名前に、自分たちの仕事に誇りを持っています」「君の自慢の家族はコロナの自慢の社員です」など、
親がコロナで働いていることに誇りを持つよう呼びかけている。
コロナによると、社名に関連した会社へのクレームなどのトラブルはなく、社員や家族の具体的な状況についてはプライバシーの面から
明らかにしていない。しかし、メディアや学校で新型コロナウイルスが連日話題になることで、社員や家族が社名を連想して
落ち込んでいるといい、メッセージを出すことにした。広告と同じ内容の手紙を全社員約2300人にも送る。
コロナは1937年に三条市で創業。石油コンロの青い炎と、太陽の周囲に現れるコロナのイメージを重ね合わせ、ブランド名として「コロナ」を
採用したのが社名の由来。92年に、それまでの「内田製作所」から社名を「コロナ」に変更している。2020年3月期の連結売上高は787億円。【増田博樹】
https://mainichi.jp/articles/20200613/k00/00m/020/022000c