2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で大阪府・市が出展するパビリオンに
ついて、世界中から遠隔参加できるようにするなどの基本構想案を府・市が
まとめたことが11日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各国
から多くの人が集まることに懸念も出るなか、新たな万博のあり方を示す狙い
があるとみられる。16日の有識者会議でたたき台として示す。
府・市は、新型コロナの感染拡大で注目された「非接触」「ソーシャルディス
タンス」などの考えに柔軟に対応することを提案。会場にいない人も「バーチャ
ル参加」ができるようにし、サイバー空間やロボット、人工知能(AI)などを
活用することを打ち出す。
テーマ案は「REBORN(リボーン)」。生まれ変わりという意味で、万博への
参加を機に自分らしい生き方を見つめ直すことで、自己実現への意識の変革を
促すとした。
府・市は有識者会議での議論を経て、21年2月ごろにテーマに沿った出展内容の
基本構想をまとめる。同年4月に、府・市や経済界、大学、病院機構などで
つくる実行委員会を発足。パビリオンのプロデューサーには、民間の若手人材
を起用する。22年度に建物や展示内容の基本設計を行い、23年度の着工を
目指す。
大阪・関西万博は150カ国・地域の参加を想定。25年4〜10月の期間中、大阪市
の人工島・夢洲(ゆめしま)の約155ヘクタールの会場に、約2800万人が来場
すると想定している。
国内外の人の往来が増すほか、会場では密集・密接・密着の「3密」のリスクも
あり、開催方法の見直しを求める声も出ていた。
パビリオンは府・市のほか参加国や企業などの出展を想定。研究者や学生団体
による構想もある。
政府は10月に開幕する予定だったドバイ万博で各国に大阪・関西万博への参加
を呼びかける予定だったが、新型コロナの影響でドバイ万博は1年延期された。
6月に予定されていた博覧会国際事務局(BIE)の総会も延期され、大阪・関西
万博の会期などを定めた「登録申請書」の承認が遅れている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60259070R10C20A6AC8Z00/