八重山毎日新聞 不連続線
6月という月は、悲惨な沖縄戦を体験した高齢の方々には、特に忘れ難い月と言えるだろう
▼戦後75年、沖縄戦で亡くなったすべての人々に、鎮魂の祈りをささげる6・23「慰霊の日」が巡ってくる。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大を阻止し、官民挙げて一歩ずつ、経済と市民生活の再生を図る「新たな日常」が展開されている中で迎える
▼このような状況下でなぜ、今やらなければならないのか。市民の足元にはもっともっと目を向けるべきものがあるのではないか。
石垣市が市議会6月定例会に提案した尖閣諸島の字名を「字登野城」から「字登野城尖閣」に変更する議案への思いである
▼石垣市は恒久平和を願い、日本一幸せあふれる地域づくりをうたう。
国際的な緊張の緩和をアジア地域に根付かせる積極的な外交展開が求められている中で、島の行政行動がさらなる火種をつくり、国の外交に重大な危険をもたらす懸念はないのか
▼今、喫緊の課題は新型コロナから市民の生命を守り、安定的な生活の構築に取り組むことであろう。それとも市民の非常時意識に乗じて、変更が絶好の機会だとしているならば火事場泥棒にも等しい行動と言える
▼欲望の暴走は社会を混乱させ、崩壊へと進むことを歴史は教える。考える行動で22日の市議会採決を注目したい。(鬚川修)
http://www.y-mainichi.co.jp/news/36483/