IBM、顔認識事業からの撤退を宣言 「人種プロファイリングや自由の侵害を容認しない」
米IBMは6月8日(現地時間)、汎用的な顔認識および分析のためのソフトウェア製品を廃止すると発表した。アービンド・クリシュナCEOから米議員宛の公開書簡という形での発表だ。
「法執行機関による責任ある技術仕様に対処するコンテキスト」での決定としている。
5月25日に黒人男性が白人警官の暴行で死亡したことを契機に全米で人種差別抗議運動が続く中、この書簡は「米国で人種平等を推進するための政策提案」を概説するものになっている。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/09/news083.html
IBMが顔認識技術から撤退、CEOは偏向と不平等の廃絶を訴える
米国時間6月8日、IBMのCEOであるArvind Krishna(アービンド・クリシュナ)氏は、今後、同社は顔認識サービスを販売せず、そもそもそれを使うべきか否かに関する「国民的議論」を、と呼びかけた。
彼はまた、警察の暴力を減らしその説明責任を高める新しい法案の支持を表明した。
CNBCが報じた書簡の中で、6月8日に導入程された法案「Justice in Policing Act」(米国下院司法委員会プレスリリース)の支持を表明する中で、サービスとしての顔認識技術という
議論の余地の大きい事業からの撤退について説明している。
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IBMは、監視社会や人種判別、基本的人権と自由への違反のために他のベンダーから提供され、あるいはまたは私たちの価値観および弊社のPrinciples of Trust and Transparency(信頼と透明性原則)と整合しない、
顔認識技術などいかなる技術の利用も認めない。私たちは今こそ、顔認識技術を我が国の法執行機関が採用すべきか否か、採用するとしたらどのように採用すべきかに関する国民的対話を始めるべき時であると信じる。
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クリシュナ氏の書簡ではさらに「AIシステムのベンダーとユーザーは、AIが偏向に関して十分テストされていることに対する責任を共有している。
それが法執行機関で使われるときにはなおさらであり、またそのような偏向試験は監査され報告されなければならない」と述べている。この発言は現在この分野に関係する人や企業、
中でもAmazonに対する決別のようであり、顔認識技術のお粗末な品質と、それにも関わらず販売を止めようとしない人々に対して投げかけられている。
今後、同社がこの方向でAIに関する研究を続けていくかは不明だ。
クリシュナ氏が支持を表明している法案には、下院と上院で相当数の共同起草者がおり、警察と彼らが監視する一般市民が直面する多様な問題をとり上げている。
特にテクノロジー方面ではボディカメラの要件を拡大するとともに、それらで撮った写真に顔認識技術を使うことを制限している。
ハードウェアに対する政府の補助はありえるが、ただしそれは公的に定められ列挙されたプロトコルの下で使われる場合に限られる。
https://jp.techcrunch.com/2020/06/09/2020-06-08-ibm-ends-all-facial-recognition-work-as-ceo-calls-out-bias-and-inequality/