中国の李克強首相は、22日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での政府活動報告で、米国との第1段階の貿易合意について、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が後退し、両国関係の緊張が高まる中でも履行する姿勢をあらためて示した。

  李首相は「われわれは中米経済・貿易合意の第1段階の履行に米国と共に取り組む。中国は相互利益の実現に向け他の国との経済・貿易上の協力を引き続き強化する」と表明した。

  今年1月15日に署名された第1段階合意の柱は、中国による米産品・サービスの購入拡大だった。しかしアナリストの間では、新型コロナの感染拡大前の段階でも、現実的な目標かどうか疑念が広がっていた。
現在は中国の需要と米国の製造・輸送能力が共に低下しており、原油などの値下がりも加わり、中国の購入拡大はさらに困難になったと思われる。

  中国の劉鶴副首相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン米財務長官は今月8日の電話協議で、貿易合意履行に向け好ましい環境づくりを行い、経済と公衆衛生の面で両国が協力することで一致した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-22/QAPNJPT1UM0W01