《独自》国家公務員法改正案、政府が廃案方針固める

 政府は21日、検察官を含む公務員の定年延長を盛り込んだ国家公務員法改正案を
廃案にする方針を固めた。検察庁法改正案の今国会での成立見送りを受け、秋の臨時
国会での継続審議を目指していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で雇用環境が
急速に悪化する中、公務員の定年延長の必要性は薄れたと判断した。

 安倍晋三首相は21日、国家公務員法改正案の見直しについて記者団に問われると、
自民党の世耕弘成参院幹事長が改正案の議論に疑問を呈したことを紹介し「この法案を
作ったときと違い、今社会的な状況は大変厳しい。そうしたことを含め、しっかり
検討していく必要がある」と述べた。

 改正案をめぐっては、菅義偉官房長官や自民党の森山裕国対委員長が秋の臨時国会
での成立を目指す考えを示していたが、「民間企業が苦しい中、公務員を優遇する
のはおかしい」(政府高官)として方針を転換した。
https://www.sankei.com/politics/news/200521/plt2005210061-n1.html