ーこれまで、国連人権理事会諮問委員会委員としてハンセン病患者らへの差別撤廃に携わった。その経験から現状をどう見る

 「私たちの国は、ハンセン病患者を90年間にもわたって強制隔離し、患者だけでなく回復した人や家族に対しても差別し続けてきたという負の歴史がある。
安倍晋三首相が4日の記者会見で『差別や誰かを排斥しようとする行動は、ウイルスよりも大きな悪影響を社会に与えかねません』と述べたのも、ハンセン病患者の家族に対する被害を認定した昨年の熊本地裁判決を踏まえているのだろう。

 どんな病気にかかった人も差別してはならないという教訓を、今回も生かしてほしい」

 ー政府による外出自粛要請に従わない人々を一般の住民が監視、攻撃する「自粛警察」という言葉も聞かれるようになった

 「戦時中、軍や国策に非協力的な人々を『非国民』と呼び、排斥したことを思い出す。
日本は、集団のなかの多数派が、少数派に対して同じ行動をするよう暗黙のうちに強制する同調圧力が非常に強い。
そうした社会で、法律に基づく権限を持たない一般市民が互いに監視し合い、同じ市民に対して攻撃的な行動に出ると、最終的に、自分たちの基本的な自由を阻害することになる。

 私たちがつくりたいのは思いやりのある社会だ。コロナウイルスを恐れるあまり、ごく当たり前の人間性が失われてしまわないように行動すべきだ」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/d089b593b747e276885c93f796187f2bc249dca6