4月18日に廃業が伝えられた、
東京・築地で創業74年の歴史を持つ
食料品店「北島商店」。
築地場外市場の中でも、豊富な調味料や缶詰などの
日用食品を扱うことで知られ、取引のある飲食店からは
「北島商店がないと仕入れる先を探すのが大変」
ともいわれる老舗だ。
業務用の巨大な調味料や缶詰をはじめ、
多種多様な食材がぎっしりと並べられた店の棚の様子は、
築地場外を訪れた多くの人にとって馴染み深く、
廃業の報にSNS上でも
「長い間お世話になった」「ショック」
とたくさんの惜しむ声が上がっていた。
5月8日に営業を再開したという。
同社2代目社長で、築地場外の
商店街振興組合理事長として
今日の賑わいを生んだ立役者でもある
北島俊英さん(77)に事情を聞いた。
北島さんはスマートフォンを取り出して、
SNS上に上がっていた廃業を惜しむ声を見せてくれた。
ネット以外にも「やめられたら困る」
と言ってくれるお客さんもいたという。
閉店を決めてから
「好きだったのに」「行こう行こうと思っていた」
などという声がSNSなどに溢れるというのは
よくある話なのかもしれない。
幸い残っていた商品などで
営業を再開することができた北島商店。
リスタートを切ったこの日は、
馴染みのお客さんが訪れたり、
再開を確認する電話がかかってきたりするなど、
コロナ以前ほどではないものの従業員が
忙しそうに動き回っていた。
再開は喜ばれるのではないかと尋ねると北島さんは
「いやいや、商売をやっている身として
『また始めました』なんて本当は得意になって
言えることではないし、迷惑もかけた」
と申し訳なさそうな顔をする。
「本当はそっとしておいてもらいたい気持ちもあります(笑)。
でも今は、飲食業界みんなで
乗り切らなければいけない正念場なのかなと。
また頑張りますので、よろしくお願いします」
北島さんは終始
「恥ずかしい話」「偉そうな顔はできない」
と恐縮しきりで取材に応じてくれた。
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