平成30年夏、大阪府警富田林署から脱走し、49日間の逃走生活を続けた樋田(ひだ)淳也被告(32)が、大阪地裁堺支部での公判で、事件の大半に第三者が関与したとする主張を展開している。
 面会室の仕切り板を壊したのは「知らない人」、逃走前のわいせつ・窃盗事件は「ヨダソウマがやった」−。
 これに対し、検察側は逃走の計画性を示す証拠などを突きつけ反論。練られた逃走計画だったのか、謎の人物の関与があったのか。法廷での攻防をまとめた。
(中略)

 被告は、逃走以外の強制わいせつやひったくり事件でも、第三者の関与を主張している。

 被告によると、事件を起こしたのは「ヨダソウマ」という人物だ。直前に知り合ったといい、被告に格好が似ていたなどと説明する。

 ただ検察側は、被告自身がヨダの連絡先も知らず、公判段階になって初めて「ヨダ犯人説」を持ち出した経緯を挙げ、「そもそもこの人物の存在自体が疑わしい」。ある捜査関係者は「後ろから名前を読んだら『ま、ウソだよ』。そういうことだろう」と憤慨した様子で解説する。

 逃走前後の21件の罪で起訴された被告。公判は裁判官のみの裁判と、裁判員裁判に区分して行われている。逃走を含む18事件については、5月8日に有罪か無罪かを示す部分判決が言い渡される予定だ。

https://www.sankei.com/smp/premium/news/200505/prm2005050005-s1.html