10万円の給付金 申請や給付の時期見通せず 京都市、システム開発や作業場確保に時間

新型コロナウイルスの緊急経済対策として1人当たり10万円を配る「特別定額給付金」の給付が、一部の自治体で始まった。
京都市はオンライン申請の受け付けを今月中旬にも始める予定だが、郵送による申請受付や給付の開始時期は見通せない。
システム開発や作業場の確保に時間がかかっており、市は「ゴールデンウイーク明けにはめどを示したい」としている。

給付金を受けるには、市町村から郵送される申請書に口座番号などを記入して返送するか、マイナンバーカードを使って
オンラインで申請するかの二つの方法がある。申請者は原則世帯主で、口座には家族分がまとめて振り込まれる。
給付開始時期は自治体で異なり、人口規模の小さい自治体では国の補正予算が成立した先月30日から給付が始まっている。

人口146万人の京都市は、郵送申請や給付の開始時期が未定だ。市によると、給付には住民基本台帳のデータ抽出や
申請・給付状況の確認を行うシステムの開発が必要。現在は、そのシステムの開発や事務作業の委託業者を募集している段階で、
契約はゴールデンウイーク明けという。

作業場所の確保もネックだ。市は、給付漏れや重複を防ぐために100人以上が必要と見込む。密集せずに作業ができる
民間施設1カ所を押さえたが、残る1カ所は条件の合う物件が見つかっていない。

総務省によると、神戸市や福岡市など5政令指定都市が1日からオンライン申請の受け付けを始めた。同じ政令市の京都市は
今月中にオンライン申請のほか、申請手続きの相談に応じるコールセンターを開設予定という。

リーマンショック後の2009年に配られた定額給付金の際は、国の予算決定から初回の振り込みまでに約3カ月を要した。
市の担当者は「遅くとも6月中には申請書を発送し、一刻も早く市民に給付金を届けられるようにしたい」としている。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/236022