首相は2012年の政権復帰以来、国政選挙で勝利を重ねて1強体制を築き、危機管理や国会対応に臨んできた。
だが、コロナ問題では十分な手を打てていないとの厳しい見方が広がる。
医療従事者への高性能マスクなどが不足し、経済対策もスピード感に欠けるためだ。
背景には、危機対応の要だった菅義偉官房長官が重要政策決定から「外されている」(自民党閣僚経験者)ことや、政府・与党の連携が十分機能していないことがあるとみられる。
これまでは菅長官が公明党の支持母体である創価学会幹部とのパイプを生かし、同党との調整役を担ってきた。
公明党関係者は現金給付をめぐる迷走に
「菅長官と学会幹部のパイプは機能していなかった。首相が周辺とだけで決めた結果だ。第1次政権と同じだ」と断じた。
不評を買う布マスク2枚配布も含め、首相の対応は経済産業省出身の秘書官ら「官邸官僚」が主導。
一斉休校など事前に与党への根回しがないケースも目立ち、与党側は不満を強めている。
自民党内には「秘書官が首相日程を絞り、若手議員はなかなか会えない。首相の感覚がどんどんずれていく。役人だけで物事を決めている」(石破派ベテラン)との不満も。
閣僚経験者は「首相は菅長官ではなく、官僚の言うことしか聞かなくなっている」と語った。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200419-00000006-jij-pol