新型コロナウイルスの感染拡大が始まった先月、都内で救急搬送の受け入れを複数の病院から断られるなどしたケースは
979件に上り、去年より300件近く増えていたことが東京消防庁への取材でわかりました。

東京消防庁によりますと、救急搬送の受け入れ先を探す際、5か所以上の病院に断られたり
20分以上搬送先が決まらなかったりしたケースが先月、979件に上ったことがわかりました。

去年の同じ時期より297件、率にして43%増加しました。

東京都では複数の病院から患者の受け入れを断られるなどした場合、救急隊員ではなく、
地域の中核病院が搬送先を探す「東京ルール」と呼ばれる仕組みを運用していますが、
感染が拡大している今月はさらに受け入れを断られるケースが増えるものとみられます。

また、今月10日までのおよそ3か月間に救急搬送した患者が、新型コロナウイルスの
陽性または陽性の疑いと確認されたのは295件に上りました。

東京都医師会の猪口正孝副会長は「新型コロナウイルスに感染した疑いがある患者が
搬送されてきた際、受け入れられない病院が多くなっている。院内感染を防ぐための対応が難しいなどの
事情があるとみられ、受け入れ態勢の確保が急務だ」と指摘しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200415/k10012387461000.html