栃木県内で4人が亡くなるなど大きな被害をもたらした昨年10月の台風19号から、12日で半年。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、
復旧したばかりの観光地の多くが再び苦境に立たされている。関係者は「元通りになった被災地を見てほしいが、感染拡大を思うと観光客に『来てほしい』とは言えない」と頭を抱えている。
とれたてのアユ料理を振る舞う大田原市の「黒羽観光やな」は、那珂川の増水で壊滅的な被害を受けた。
平屋建ての食堂は高さ約160センチまで浸水。約300人が入る食事スペースの床はめくれ、調理室の冷蔵庫や食器棚は倒れて泥まみれになった。
積立金など約1200万円をかけて食堂や厨房(ちゅうぼう)の修復を進めてきた。
アユ釣りシーズンが始まる5月1日の営業再開にめどが立ったところに、新型コロナウイルス感染拡大のニュースが飛び込んできた。
例年だと首都圏を中心に10件以上の予約が入るが、今年は4月上旬の時点で5件あった予約のうち、3件がキャンセルや延期になった。
担当者は「どのくらいの影響が出るか、フタを開けてみないと分からない。台風からようやく営業開始にこぎつけたのに……」と悔しがる。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200410-00000092-mai-soci
閑散とした日光東照宮の境内=栃木県日光市で2020年4月9日午後2時57分、渡辺佳奈子撮影
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