新型コロナウイルスの大流行で日本でも緊急事態宣言が発令された。
感染爆発が起きる前に医療現場が機能不全に陥る恐れも十分にある。
医師や看護師を守ることができなければ患者の命は救えない。どんな備えと支えが必要か。
医療崩壊に瀕する欧州から報告する。
数十人が公の場で虐待された
現在、英国では医療の最前線でウイルスと戦って帰宅したNHS(国民医療サービス)のスタッフにツバを吐きかけたり
「病気のスプレッダー」と罵詈雑言を浴びせたりするケースが相次いでいる。
近所の人から「ウイルスを持って帰ってくるな」「中国に帰れ」と嫌がらせを受けたスタッフもいる。
NHSスタッフの中には移民も多く、数十人が公の場で虐待されたという。
イングランド主任看護師のルース・メイ氏はNHSのスタッフにユニフォームやID(身分証明書)を身に着けて通勤しないよう指示するとともにこう呼びかけた。
「私たちの命を救うために通勤していることを知りながら危害を加えようとするなんて本当に恐ろしいことだ。断じて許せない。
看護師も助産師のチームもみな一生懸命働いている。どうか温かく接して」
こうした虐待はどうか少数であってほしい。英国の医療制度は原則無料、税金と国民保険料で運営されている。
英国の誇りであり、市民の命を守る最後の砦である。
「ウイルスを持って帰ってくるな」イギリスでは医療スタッフへ差別的な“虐待”が起きた
https://bunshun.jp/articles/-/37136