コロナ対策「マスク郵送」は本当に麻生財務大臣への利益供与なのか

 コロナ対策として政府が打ち出した「布マスクの1世帯あたり2枚の郵送」が賛否両論となっている。
その中でも、一際目をひくのが「この度のマスク郵送が麻生財務大臣への利益供与なのではないか」といった趣旨のTwitter投稿だ。

 確かに、日本郵政の大株主欄には「財務大臣」が発行株数の63.29%を保有していることが分かる。

日本郵政のWebページ
https://dotup.org/uploda/dotup.org2106464.jpg

 この情報から一部では、「政府があえてマスクを郵送するという手段を使って、日本郵政に郵送費を支払い、間接的な利益供与を財務大臣の麻生氏に行う狙いがあるのではないか」という発想につながったようだ。

 それでは、本当にマスク郵送は麻生氏への利益供与なのだろうか。

 実は、上記3社の株式を財務大臣が保有する根拠は、各社の法律にある。
例えば、NTTの根拠法となる「日本電信電話株式会社等に関する法律」第四条には、「政府は、常時、会社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。」とある。
「日本たばこ産業株式会社法」と「日本郵政株式会社法」の第二条にも「三分の一」の保有割合を常に維持しなければならない旨が規定されている。

 財務大臣は、国の財務を担当する役職であることから、各種の法律で記載されている「政府」の役割として財務大臣が株式を保有しているに過ぎないことが分かるだろう。
この場合、配当金は国庫に納付されることになり、麻生氏個人には振り込まれない。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2004/08/news007.html