新型コロナウイルスによって春休みを待たずして学校は休校となり、自宅で過ごす時間が通常より大幅に増えた全国の子供たち。
 東京を中心に日本で感染者数が急増した途端、公園からも子供たちの姿は忽然(こつぜん)と消え、以前の明るいはしゃぎ声は聞こえない。
 もしイタリア北部やニューヨーク市などと類似した危機的な情勢が到来すれば、子供たちの外出はさらに憚(はばか)られよう。

 こういう時こそ既存メディアは真価を発揮しなければならない。だが、残念ながら今のところ国民と寄り添う姿勢は
あまり見えず、あくまでも通常路線に徹するかのようである。

 たとえばテレビ。確たる情報や根拠もない中で、門外漢たちが新型コロナウイルスによる肺炎(COVID−19)について延々と同じことを
互いに語りあう日中のワイドショーについてはうんざりする。
 だが、これ以上に唖然(あぜん)とするのは、東京のおいしいグルメを回るといった内容などの番組を平然と放映するテレビ局だ。
ここまで無神経で本当にいいのだろうか。

 素朴な疑問としてあるのは、普段はいない多くの子供たちが今は自宅にいるわけだから、いつもの主婦向けではなく、子供たちが楽しめる番組をなぜ一挙に放送しないのかということだ。
 ゲームはいずれ飽きるし、ここであえてテレビの面白さを伝える絶好の機会ではないのか。
 実際ネットでは現況を踏まえ、アニメや漫画を特別に無料で見放題としているところが多い。
(続く)

https://www.sankei.com/smp/column/news/200405/clm2004050005-s1.html