世界的大流行(パンデミック)になったコロナのと闘いが続くなか、
一部の研究者が春季の気温上昇と明るい陽光に期待を寄せている。
もし今回の新型肺炎が他の呼吸器感染症と同様の季節的パターンを示す
としたら、ウイルスの活動は今後数カ月間、一時的にせよ抑えられる可能性
があるからだ。

いくつかの研究によると、過去に流行した他のコロナウイルス遺伝子との類似性
に照らせば、新型コロナウイルスも同じように顕著な季節性を示し得るという。
温帯地域に比べ、熱帯地方では新型ウイルスが広がりにくいとの見解も出ている。

「気温の高い地域ほど感染しにくい」

メリーランド大学ウイルス学研究所のモハマド・サジャディ准教授は
「これまでの検証結果に基づけば、新型ウイルスは気温の高い地域ほど感染
しにくい」と語る。サジャディ氏は世界中ですでに40万人以上が感染した
新型コロナの発生状況について研究している。

中国の100都市で新型コロナの感染状況を調査した北京航空航天大学と
清華大学の研究者は「高温・多湿の環境下では新型コロナの感染を相当程度
抑えられる」と結論づけた。

サジャディ氏も研究報告書で、新型コロナはどこでも広がるとはいえ、
湿度が低く気温がセ氏5〜11度という気象条件下で人から人への感染が最も
起きやすいと述べている。

現時点で新型コロナの感染が最も深刻なのは北緯30度から50度の間の地域だ。
中国と米国のほぼ全域と欧州の南部がここに位置している。

一方、メリーランド大学のチームの予測では、ウイルス感染の被害地域は今後
、欧州北部およびカナダへ北上し、夏場には北半球全域で勢いが衰える一方、
南半球の温帯地域で感染が拡大するという。
中国の研究者も夏の到来とともに新たな感染者数が減少すると予想する。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57250240W0A320C2000000/