東京五輪・パラリンピックを東京電力福島第1原発事故と結び付けて揶揄(やゆ)する
ポスターを韓国の民間団体が制作した問題で、国際オリンピック委員会(IOC)が
この団体を「非難」したことが分かった。日本政府もポスターを問題視しており、
韓国政府に適切な対応を求めている。
 IOCが非難したのは「サイバー外交使節団」を名乗る団体で、「旭日旗=戦犯旗」と
主張する映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップする運動なども展開している
「VANK」(Voluntary Agency Network of Korea)。

VANKは先月6日、白い防護服姿で、炎が緑色のたいまつを掲げて走る人物に東京五輪の
エンブレムや「TOKYO2020」の文字、日の丸などをあしらったポスターを、ソウルの
在韓国日本大使館の建設予定地のフェンスに貼った。

 ポスターについて組織委員会は「あたかも放射能汚染があると思わせるような
事実を歪曲(わいきょく)した表現方法を用い、東京大会のエンブレムや
オリンピックマークを無断で使用していることは極めて遺憾だ」としてIOCに問題提起した。
組織委によると、IOCは今月3日までに「競技会場には政治的な介入が行われる
べきではないという確固たる信念をもっている。政治的な目的でのオリンピックエンブレムの
不正使用を非難する」と返答した。
 IOCは10日までに産経新聞の取材に対し、「広報担当理事がVANKに対し、
政治的メッセージのためのオリンピックエンブレムの不正使用を非難し、
今後、このような行動を控えるよう求めた」と明らかにした。



https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200210/mca2002102112010-n1.htm