一斉休校延長せず 週明けにも再開判断指針 首相、イベント慎重対応要請
2020年3月20日 21:19

政府は20日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、小中高校での全国一斉の臨時休校の要請を延長しない方針を確認した。地域ごとに感染状況に応じ再開の可否を判断する指針を週明けにも示す。安倍晋三首相は自粛を要請している大規模なイベント開催に関し「感染拡大の防止に十分留意してほしい」と語り、慎重な対応を主催者に要請する考えを示した。

学校の臨時休校を巡っては、3月2日から春休み前まで小中学校や高校、特別支援学校を対象に要請した。文部科学省によると、16日時点で公立小中学校の99%が休校している。首相は20日の対策本部で「新学期を迎える学校の再開に向けて具体的な方針を早急に文科省で取りまとめてほしい」と指示した。

萩生田光一文科相は会合後、記者団に「学校再開に向けた考え方や留意事項を取りまとめたガイドライン(指針)を来週の早い段階に公表したい」と表明した。

首相は19日に専門家会議が示した分析から「爆発的な感染拡大には進んでおらず、引き続き持ちこたえているものの、都市部を中心に感染者が少しずつ増えている」と引用した。クラスター(患者集団)の大規模化や感染の連鎖、いわゆるオーバーシュート(爆発的患者急増)が生じる可能性に言及した。その場合、同会議は不要不急の外出自粛や移動制限に追い込まれると指摘した。

首相はオーバーシュートを防ぐため「クラスター対策の抜本的な強化や、感染者の急増に備え重症者への医療に重点を置く医療提供態勢の整備に全力を挙げて取り組む」と訴えた。(1)換気が悪い(2)多くの人が密集(3)近距離での会話や発声――という3つの条件が同時に重なる場を避けるよう要請した。