新型コロナウイルスの感染が拡大する中、警察も対応に苦慮している。治安の守り手として、犯罪捜査や警戒への手は緩められないが、
有名人が「一日交通部長」を務める大規模イベントを中止するなど、活動への影響も出始めている。
埼玉県警では、5日に武南署交通課の50代の男性課員の感染が判明、濃厚接触者の署員35人が自宅待機。
この事態を受けて本部から約10人を派遣したほか、管轄区域で自動車警ら隊などによる警戒を強化。免許の更新などで市民に迷惑がかからないように努めたという。
一方、政府の自粛要請に伴い、中止になったイベントも少なくない。全国の警察が4月6日から行う「春の交通安全運動」は、有名人を招いて交通安全の注意喚起などを行う。
埼玉県警では、女優の鈴木梨央さん(15)を招いた約400人規模のイベントを予定し、観覧者を募集していたが、中止を決めた。
各署で行う催しも「一つも決まっていない」(交通総務課)という状況だ。同課は「やりたくても、あまり人を集めるというわけにはいかない」と悩む。
交通安全をアピールする機会だけに「規模を小さくするなど知恵を絞りたい」と模索する。
また、さいたま新都心で予定していた県警音楽隊による「ポリス・コンサート」も中止になったほか、4月の警察署の署長会議も6月ごろに延期する方針だという。
治安への影響も懸念されそうだが、「職務質問や交通取り締まりを控えるわけではない」(厚生課)。
今月、各部で状況に合わせた対策マニュアルを作成し、通達した。自粛ムードでも“悪人”にはわが世の春にさせない−。(内田優作)
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