発熱で「休め」と言われても 新型肺炎、非正規労働の減収の不安
2020/2/26
https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=616611&;comment_sub_id=0&category_id=256
「生活を考えると安易に休めない」―。新型コロナウイルスによる肺炎(COVID(コビッド)19)の拡大を防ぐため、
発熱した場合などに仕事を休むよう国が促す中、広島県内の非正規労働者からも不安の声が上がっている。
自主的に休む場合は賃金が補償されるとは限らないからだ。
国は企業に収入に配慮した対応を呼び掛けているが、働き手の懸念は拭えていない。
 「時給で働く私たちは休んだら収入にこたえるんです」。広島市内の派遣社員女性(38)は2年前のつらい経験を思い起こす。
当時勤めていた会社でインフルエンザに感染し、1週間休まざるを得なくなって月収が約5万円減った。
「今回は絶対にかかりたくない。生活に響くから」。満員電車を避けて出勤し、
外出時は手洗いを欠かさない。自己防衛しながら危機感を募らせている。

 ▽「格差」への憤り

 市内のパート女性(52)の会社では家族がインフルエンザにかかったら休むように言われる。
「今回、長期間休むことになれば、家のローンの支払いに響く」と心配する。
正社員との「格差」に憤るのは、市内のコールセンターで働く派遣社員男性(41)だ。
派遣社員は車通勤が禁止。満員のバスで通うと感染リスクが高まり、感染者と濃厚接触して
自宅待機になれば減収になる。「緊急事態なんだから、非正規の私たちも安心して休めるようにならないと困る」と訴える。
県東部の嘱託社員女性(49)は、4年ほど前に小学生の子どもがインフルエンザにかかっても
会社から「出社しろ」と言われた。「人材に限りがある中、休ませてもらえない不安もある」と気をもむ。