湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス肺炎が中国で猛威をふるい、全世界に感染を広げている。中国政府は国内感染者を約四・三万人、死者を一〇〇〇人超と発表した(二月十日)が、その数は日に日に増加するばかりだ。
そもそもこの数には、発病しても病院に入院できないでいる人民や自宅で亡くなった人民が含まれていない。全容はいまだ隠されているのだ。

おびただしい人民が、習近平を頭とする中国共産党=国家官僚による情報統制・情報隠蔽のもとで感染と死を強制されているのである。

武漢市において野生動物を扱う海産物市場の関係者からSARS(重症急性呼吸器症候群)に似た肺炎が発生していることは、昨年十二月八日に市当局が公表していた。
この事態についての情報を「中央の許可なしに公開してはならない」と地方官僚に命じたのが習近平指導部であった〔このことを武漢の市長と湖北省の党書記が暴露している〕。
この指示を受けた武漢の党=市当局・公安は医療関係者の口封じに狂奔した。SARSと同様の肺炎が発生していることを同僚の医師にSNSで知らせた武漢中央病院の医師・李文亮を、公安は「公衆に不安を煽った」罪で拘束し処分した〔李文亮は一月十一日に新型肺炎を発症し二月七日に死亡した〕。

一月九日に初の死者が発生し、また市場とは無関係の人民や医師らが次々と感染しているにもかかわらず、「ヒトからヒトへの感染はない」「感染は拡大していない」という虚偽情報を、習近平指導部は十八日まで武漢市当局に流させつづけた。
そのかん湖北省政府は地方版の人民代表大会を予定通りに開催(一月十二〜十七日)、翌十八日には武漢市当局が春節恒例の大宴会を四万世帯人民を集めておこなった。

ここで幾十万の人民が感染したことはまちがいない。情報を隠蔽し人民に感染を拡げたことは、習近平を頭とする中国ネオ・スターリニスト官僚どもの大犯罪である。

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