政府が「脱原発」政策を進めれば費用が500兆ウォン(約46兆円)以上増加する、と分析した論文を、政府の出資する研究院が公開せずに隠ぺいしていたことが4日分かった。
政府と関連機関が、脱原発を進める場合の経済的負担を分析した学界の声を封じ込めているという批判が出ている。
政府が出資するエネルギー経済研究院は、隔週で発行している定期刊行物「世界の原発市場インサイド」(2019年12月13日付)を、インターネットに掲載しないことを決めた。
これまでの慣行ではホームページに掲載していたが、12月13日付の分は1か月近く掲載されていなかった。
この刊行物にはKAIST(旧・韓国科学技術院)のチョン・ヨンフン教授が寄稿した「脱原発費用と修正方向」と題する論文が掲載されていた。
チョン教授はこの論文で、新古里原発5、6号機を最後に新たな原発を建設しない場合と、建設がストップしていた新ハンウル原発3、4号機の建設を再開して原発寿命を20年延長し継続稼働する場合の、経済的効果を比較・分析した。
その結果、脱原発政策を取りやめて原発寿命を20年延長した場合の方が、利益が513兆ウォン(約47兆円)多くなるとの結論を下した。
文在寅(ムン・ジェイン)政権の「脱原発政策」の基調に合わせるために、政府と関連機関が「原発の経済性」をひた隠しにし続けているのだ。
先日は韓国水力原子力(韓水原)が月城原発1号機を早期に閉鎖するために、何度も経済性評価を縮小・歪曲(わいきょく)していたことが明らかになった。
2018年3月、韓水原内部での分析では、月城1号機の稼働を継続すれば3707億ウォン(約344億円)利益が得られるとされ、2か月後のサムドク会計法人の中間報告書でも1778億ウォン(約165億円)の利益が得られるとの結果が出ていた。
しかし産業通商資源部・韓水原・サムドク会計法人の会議を経た後の最終報告書では、継続稼働の場合の利得が224億ウォン(約21億円)に縮小された。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/05/2020020580260.html