相模原市緑区青山の南山(544メートル)で、太古の海底に生息していた二枚貝「カネハラニシキ」の化石5個が見つかった。
丹沢山地が海洋にあった560万〜860万年前に形成された愛川層群の中津峡層と呼ばれる地層にあった。
見つけたのは近くに住む元津久井町職員の高橋文男さん(67)。昨年10月の台風19号の豪雨で南山の中腹にある通称・東南林道が約320メートルにわたって流出。
今年に入って流出した岩石を調査したところ、中から化石が見つかった。
古生物に詳しい県立生命の星・地球博物館学芸員の田口公則さんに発見場所の図と化石の写真を送って鑑定を依頼し、カネハラニシキの化石と確認された。
カネハラニシキはイタヤガイ科で1200万年前の前後に、寒冷水域に多く生息していたとみられる。丹沢が海洋にあった頃は、北から冷たい水が流れ込む南限だったと推定されている。
これまで道志川支流の神ノ川流域や厚木市、愛川町、清川村、旧津久井町の地層から多く出土してきた。高橋さんによると、東南林道での発見は初めてという。【高橋和夫】
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