武漢滞在ない新型肺炎患者 国内で人から人感染の恐れ
2020年1月28日 17:48 (2020年1月28日 18:55 更新)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO54945630Y0A120C2MM8000?s=1
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎について、厚生労働省は28日、国内で新たに2人の患者を確認したと明らかにした。うち1人は武漢滞在歴のない日本人で、1月に武漢からのツアー客を乗せたバスの運転手をしていた。武漢滞在歴のない国内患者が確認されたのは初めて。国内でも人から人への感染が広がっている恐れがある。
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国内で確認された患者は計6人となった。
感染したバス運転手は奈良県に住む60代の男性で、1月8〜11日と12〜16日に武漢からのツアー客の対応をした。14日に悪寒やせきなどの症状が出て、17日に医療機関を受診したが異状は見つからず、経過観察となった。その後症状が悪化したため、25日に再度受診し、奈良県内の医療機関に入院した。
また、武漢在住で20日に来日し、愛知県の医療機関を受診した40代男性も感染が確認された。多数の感染者が出た武漢の海鮮市場には立ち寄っておらず、肺炎患者との接触も確認されていない。
国内での感染者が徐々に増えていることから、厚労省は28日、市民からの電話相談を受け付けるコールセンターを開設した。土日祝日を含め、午前9時から午後9時まで受け付ける。
入国後の症状の有無を一元的に把握する「フォローアップセンター」を29日にも省内に開設し、同センターで外国語対応が可能な医療機関の案内なども行う。
水際対策もさらに強化する。これまで武漢からの入国者に症状の有無や行動歴、国内での連絡先を確認する質問票を記入してもらっていたが、対象を中国全土に広げる。