センター試験初日終了 世界史Bの1問を全員正解に

今回で最後となる大学入試センター試験は18日、全国689会場で地理歴史・公民、国語、外国語の試験を行い、初日を終えた。
選択科目の世界史Bの1問で正解の選択肢がないと誤解される恐れがあることが分かり、大学入試センターは受験者全員を正解扱いとすることを決めた。19日は理科、数学の試験が行われる。

全員を正解扱いにしたのは世界史Bの第1問の問5。歴史上の様々な支配体制について正しい記述を選ばせる問題で、「(中国の)魏で、屯田制が実施された」という選択肢を正解としていた。

しかし試験中、受験者1人が「三国時代と戦国時代とどちらの魏か」と監督者に質問。同センターはどちらともとれると判断し、全員に得点を与えることにした。

出題は三国時代の魏を想定。そのかなり前の戦国時代にあった魏は屯田制を実施していないとされ、受験者が戦国時代の魏と考えた場合、正解がなくなってしまうという。

同センターによると、全員に得点を与える措置は追試験での例を除くと1997年の試験以来3回目。

英語のリスニングでは、91会場の109人が試験終了後に中断部分からやり直す「再開テスト」を受けた。試験中に受験者の目覚まし時計が鳴ったり、ICプレーヤーの不具合の申告があったりした。

このほか一部の会場では、遅刻した受験生への指示を担当者が誤ったり、室内の蛍光灯が切れたりして開始時間を繰り下げた。悪天候による大きな混乱はなかった。

志願者は2019年より1万9131人少ない55万7699人。例年、受験者数が最も多い外国語(筆記)は、志願者の93.1%の51万9303人が受験し、英語のリスニングは91.8%の51万1936人だった。

志願者のうち、20年春に高校を卒業予定の現役生は81.1%。センター試験の成績を何らかの形で利用する大学・短大は計858校で過去最多となっている。

平均点の中間発表は22日、得点調整の有無の発表は24日、平均点の最終発表は2月6日。体調不良などで受験できなかった人が対象の追試は1月25、26両日に東京と大阪の2会場で行う。

センター試験は20年度から大学入学共通テストに変わる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54573720Y0A110C2CZ8000/