八重山日報【視点】自衛隊中東派遣 当然の判断

緊迫する中東で日本船舶の安全を確保する活動の一環として、海上自衛隊のP3C哨戒機2機が11日、中東海域での情報収集活動に当たるため、那覇航空基地を出発した。
護衛艦「たかなみ」も2月2日に出航する。
情報収集活動の期間は20日から12月26日まで。P3C2機と護衛艦はオマーン湾、アラビア海北部、アデン湾(バベルマンデブ海峡東側)の3海域の公海で活動する。
日本は中東に原油の供給を依存しており、周辺を航行する船舶の安全は国民生活に直結する。自衛隊派遣は当然の判断だ。
しかし米国主導の多国籍軍「有志連合」に加わると、米国と対立するイランを刺激しかねない。
そこで有志連合には加わらず、イランに近く、原油輸送の大動脈となっているホルムズ海峡を活動海域から外すという苦肉の策を取った。

日本政府は昨年12月、イランのロウハニ大統領を招き、自衛隊の中東派遣に理解を求めるなどの根回しに努めた。
ロウハニ大統領が自衛隊派遣に理解を示したことから、政府は最終的に派遣に踏み切った。

安倍晋三首相によるイラン訪問など、米・イラン間を仲介するために展開してきた一連の外交努力がイランに評価されたようだ。
河野太郎防衛相は那覇航空基地での出発式で「日本の取り組みに否定的な反応は全くない」と強調した。

さらに安倍首相は11日から中東3カ国の歴訪に出発した。日本として独自外交で中東の平和維持に関与する姿勢を鮮明にしている。
中東情勢が悪化した、この局面で「安倍外交」が存在感を発揮している。

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