トランプ大統領を弾劾訴追 アメリカ史上3人目 米議会下院
一方、トランプ大統領は、議会下院で採決が始まる直前の午後8時ごろ、中西部ミシガン州の演説会場に姿を現し、冒頭で
「弾劾されるという気がしない。アメリカは、かつてないほど繁栄しているし、われわれは何も間違ったことはしていない」
と述べて、弾劾訴追は不当だという考えを重ねて強調しました。
そして「今夜、民主党は、私に投票した数千万人の票を無視しようとしている。法的に根拠のない弾劾は民主党にとって政治的な自殺行為だ」
と述べて、弾劾訴追を主導した野党・民主党を厳しく批判しました。
演説の途中で弾劾訴追の決議案が可決されたという連絡を受けると、トランプ大統領は「共和党の下院議員は全員反対したが、民主党から3人の議員が造反した」
と述べ、共和党の結束を強調すると、会場は歓声に包まれていました。
また、この日の演説では聴衆のひとりが突然「弾劾」と書かれたボードを掲げて会場が騒然とし、トランプ大統領が「あいつをつまみ出せ」と指示を出す一幕もありました。
演説が行われたミシガン州は3年前の大統領選挙で接戦のうえ、トランプ大統領が勝利した州で、この日は気温が氷点下にもかかわらず、
朝早くから会場前に支持者が並び、およそ1万人が集まったとみられています。
弾劾訴追を受けて、有罪か無罪かを判断する弾劾裁判が年明けにも議会上院で開かれることになりましたが、議会上院は、
共和党が過半数を占めるため、トランプ大統領が罷免される可能性は低いとみられています。
しかし民主党は、さらに攻勢を強める構えで、来年秋の大統領選挙を見据え、激しい攻防が続くことになります。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191219/k10012220621000.html