日本のバーニー・サンダーズともいわれる山本太郎は俳優から政治家に転じ、このほど左派ポピュリズムの新政党「れいわ新選組」をつくった。
9月の終わり、日本全国を回る遊説ツアーを開始した山本を追って、元『ニューヨーク・タイムズ』紙記者でジャーナリストのジョナサン・ソーブルは北海道に飛んだ。前編をお届けする。
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季節外れの温かさとなった北海道・旭川の明るい秋の午後、黒のライダーズジャケットに身を包んだ男がひとり、見知らぬ家のインターフォンを申しわけなさそうに鳴らしていた。
失礼します、山本太郎です。44歳の山本は健康そのもので若々しく見え、計り知れないほどのエネルギーを蓄えている。歩くのが速い。
語るときはしばしば感情がほとばしり、彼が熱心に取り組んでいる問題がテーマとなれば、なおさらだ─原子力、貧困、そして、彼の見方では惨状となっている日本の政治状況。
2011年に福島で核メルトダウンが起きたことを受けて本心を語り始めるようになるまで、山本は人気俳優だった。
今、彼が示す見解の多くは議論を巻き起こす─原子力事故への杜撰な対処を理由として日本を「テロ国家」呼ばわりしたこともある─が、そんなことは旭川では誰も、たいして問題にはしていなかったようだ。
ドライバーたちはあちこちの交差点でクルマを停めて携帯電話で彼の写真を撮っていた。山本が各戸を訪れた平日の昼間、在宅だった人々はみな、有名人との遭遇に顔をほころばせていた。
山本は北海道で声を上げた。左翼ポピュリスト新党とも言えるれいわ新選組への支持を増やすためだ。新党を立ち上げたのは今年4月のことで、2013年に無所属で立候補して当選していた参議院議員の任期6年の終わりも近いころだった。
7月に行われた参院選で、れいわは2議席を確保したが、山本自身は再選を果たせなかった。今の彼は議員ではないものの、党においては代表であり、スポークスマンであり、何でもこなす重心となっている。
いかそ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191201-00010002-gqjapan-bus_all