冷たい海や湖に浮かぶ氷の下側に浮力で張り付いて移動する小型無人探査車を開発し、初めて南極で試験すると、米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所が26日までに発表した。
南極大陸から海に張り出した氷の下には植物プランクトンや甲殻類、魚類などが生息することが知られ、カメラで観察する方針。
将来は木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスにある氷で覆われた海に投入し、生物が存在するか調査するのが目標という。
この探査車「BRUIE」は棒状の本体の両端に車輪が付き、幅約1メートル。コンピューターや通信機器、バッテリー、モーター、ライト、カメラを備え、水温や水圧、塩分濃度などのセンサーを搭載できる。
これまで米アラスカ州の湖などで試験してきたが、今回は南極大陸沿岸にあるオーストラリアのケーシー基地周辺で試験する。
スクリューで水中を移動する探査機の場合、水の流れを受けながら位置を維持するのに電力を消費するが、この探査車は浮力で氷の下側に張り付いているため電力を節約できる。
普段は休止し、必要な時だけ稼働すれば数カ月間活動できるという。
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