【ロシアを読む】学校でライフル組み立て…進む“軍国化”教育
2019.11.19 07:00
複数の露メディアは10月末、ライフル銃「AK47」の開発者で、
11月10日が生誕100周年となるカラシニコフ氏を記念するためとして、
露教育省が各地の小中高校に対し、カラシニコフ氏の伝記やAK47の
組立・分解などを体験させるよう勧奨したと報じた。
勧奨文書によると、カラシニコフ氏やAK47を学ばせる目的は
「ロシア人の国民的自己認識の基礎としての精神的・道徳的な愛国主義の形成」
「児童における国民的・市民的・文化的アイデンティティーの陶冶(とうや)」だという。
どの程度の数の学校で実際にカラシニコフ氏に関する教育が実施されたのかは不明だが、
教育省の勧奨は実質的には命令に近い性質があるとされるため、
かなりの数の児童が銃の組立などを体験したとみられている。
(中略)
国防分野でも、軍事的な愛国教育が加速している。
露経済紙「RBK」は7月、露国防省が40億ルーブル(約68億円)をかけて
首都モスクワ近郊に「軍事愛国心教育センター」を建設する方針を決めたと伝えた。
同紙によると、センターの完成後は、近隣の男子高校生に対して
週1回、18歳以上の男性の義務である兵役に向けた基礎訓練が行われることになる。
訓練参加が義務となるか任意となるかは検討中という。
さらに国防省が精力的に進めてるのが、青少年に愛国心を植え付けることを主眼に、
16年から全国的に展開しているプログラム「ユナルミヤ(若き軍隊)」だ。
8〜18歳の少年少女を対象に、戦史研究やスポーツ活動、登山や
キャンプなどを通じて愛国的な人格の涵養(かんよう)を図るとうたう
ユナルミヤには、既に55万人以上が参加している。
(後略)
https://www.sankei.com/world/news/191119/wor1911190001-n1.html