「秘匿金」2・7億円 制裁課税 光学薄膜大手…会長親族らに還流 国税指摘
2019/11/14 15:00
東証1部上場の光学薄膜装置メーカー大手「オプトラン」(埼玉)が
海外のタックスヘイブン(租税回避地)のペーパー会社との取引を巡り、
関東信越国税局から約2億7000万円の所得隠しを指摘されたことが
関係者の話でわかった。同額の資金がオプトラン会長の親族らに還流していたが、
同社は最終的な支出先を明かさず、「使途秘匿金」として制裁課税された。
関係者によると、同社は2012〜15年、タックスヘイブンのマーシャル諸島に
登記された実体のないペーパー会社に販売手数料の名目で約2億7000万円を支出。
同国税局は、ペーパー会社が利用する香港の金融口座の記録などを入手し、
同額の資金がオプトラン会長の親族らの口座へ流れたことを確認したという。
同国税局は、ペーパー会社への支出は、資金を会長の親族らに
還流させる目的だったなどとして、経費への計上を認めず、
仮装・隠蔽を伴う所得隠しにあたると指摘。
最終的な支出先について、オプトランが「ビジネスに支障が出る」などと
説明を拒んだため、通常の法人税に支出額の40%を上乗せして追徴課税した。
他の経理ミスなどもあり、重加算税などを含めた追徴税額は17年12月期までの
6年間で約3億円。既に修正申告して納付したという。
同社は、使途秘匿金とされた資金について「中国市場で受注獲得に必要な
営業費用が生じた時に適宜支出していた。私的流用は一切ない」などとしている。
同社は1999年設立。カメラレンズなどの表面にコーティングを施し、
反射を防止したり、赤外線をカットしたりする「光学薄膜」の形成装置を
製造・販売している。18年12月期の連結売上高は約447億円。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20191114-OYT1T50211/