【BBC】不本意の禁欲主義者――「インセル」たちの知られざる世界
インセルとは、恋愛および性的なパートナーが見つからない、あるいは自身に性体験のない
原因が女性にあるとする男性たちだ。そしてパートナーを持ち、ふつうの性生活を送る女性たちを
みな娼婦のようにみなし、極端な場合、彼女たちを暴力やレイプで「罰する」ことを奨励する。
「言うまでもなく、女性が僕を好きになってくれる可能性なんて元々あんまりない」
シカゴに住むジャック・ピーターソンさん(19)はこう語る。彼も米掲示板サイト「レディット」などで、
インセルに関するサイトを訪れる若い男性たちの一人だ。
掲示板を使うのは孤独感からだ。そこには、自分たちは遺伝子のくじ引きの負け組で、なすすべがほぼない
と主張する、怒りを抱えた男性たちがいる。
インセル文化は、極右の「オルト・ライト」の極端な国家主義・反フェミニスト運動と一部が重なっている。
両方が、人種的偏見の眼鏡を通じて世界を見ており、自分たちはポリティカル・コレクトネスによって不当な
中傷を受ける少数派だと考えている。
オーストラリア出身の元インセル、マシューさんはインセルが政治的な何かに変化したと感じたこともあり、
コミュニティーを離れた。
「以前は今ほど攻撃的ではなかった」と彼は振り返る。「掲示板で怒りの感情に火をつける扇動者がいる。
彼らは反動的な運動に向かわせることが多い。一番多いのはオルト・ライトの運動だ」。
「2016年末にインセルを自称するのをやめた。オーストラリアで政治的な議論が過熱し始めたころだ。彼らは
すべての問題を女性のせいにしていた」。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-44153194