リニア保守基地、浸水恐れ 飯田 「1000年に1度」雨で最大3メートル
信濃毎日新聞(11月1日)
JR東海が2027年の東京・品川―名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線で、飯田市座光寺に建設予定の保守基地が「千年に1度」の
豪雨発生時に1?3メートルの浸水が見込まれる区域に含まれていることが31日、分かった。同社は「ハザードマップや最新の知見など
参考に、適切な対策を検討する」(広報部)としている。
保守基地は天竜川の西側数百メートルの場所に建設予定。県内駅からは1キロ余離れている。
国土交通省天竜川上流河川事務所(駒ケ根市)が16年に流域の「洪水浸水想定区域図」を作成。同事務所によると、流域で千年に1度の最大
規模の大雨(2日間で605ミリ)が降った想定では、保守基地は1?3メートルの浸水区域にかかる。近くの天竜川支流も氾濫の恐れがあるという。
JRが14年に地元に示した保守基地の計画概要によると、敷地面積約3・5ヘクタール。本線北側を中心に基地設備などを配置する。鉄道の
軌道に当たるガイドウェイを点検、維持する保守用車両が本線に入るための「保守基地線」も設置。高さ十数メートルの高架の県内駅東側で
本線から分離し、本線北側を通り徐々に下って地上の保守基地へ至る計画だ。ガイドウェイはパネル状のコイルを取り付けたコンクリート製の
U字形の構造物。
県内では台風19号の記録的な大雨で千曲川が決壊し、長野市赤沼の北陸新幹線(長野経由)の車両センターが浸水。10編成(120両)が水に
漬かり、ダイヤに大きな影響が出た。これを受け、国交省はリニア計画についてもハザードマップの浸水想定区域に含まれるかどうか調査。
現時点では、神奈川県と岐阜県に建設予定の車両基地は浸水の恐れがないと確認した。
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20191101/KT191031ATI090020000.php
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/news-image/IP191031TAN000286000.jpg
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/news-image/IP191031TAN000259000.jpg