首里城が燃えているのに「玉城デニー知事が韓国へ」はミスリード。まとめサイトが拡散
大きな事件事故が起きるとこうしたデマや、偏見に基づいた差別発言、さらにはミスリードを誘う可能性がある記事が、ネット上を駆け巡る。冷静に情報を見極めることが大切だ。
沖縄・首里城の正殿などが全焼した火災に関連し「炎上中に玉城デニー知事が韓国へ出発した」とも取れる見出しをつけた、まとめサイト「Share News Japan」の記事が拡散している。
結論からすると、これはミスリードだ。知事が韓国へ出発したのは10月30日で、火災の前日。知事は火災を受け、予定を切り上げて翌31日正午過ぎに帰国している。
BuzzFeed Newsは、ファクトチェックを実施した。
拡散しているのは、まとめサイト「Share News Japan」の以下のような見出しの記事だ。
《玉城知事、沖縄PRのため韓国へ「沖縄を訪れるよう要請」→ ネット「世界遺産が燃えてるんやで？」「首里城より韓国」》
この記事は10月31日午後2時半すぎに同サイトのTwitterやFacebookで拡散され、計測ツール「BuzzSumo」によると、あわせて2000以上シェアされている。
首里城の火災を受け、玉城知事は訪韓日程を切り上げて31日正午過ぎに緊急帰国した。沖縄タイムスによると、那覇空港から直接火災現場に向かったという。
つまり、「Share News Japan」の記事の拡散が始まった段階では、すでに知事は帰国していたことになる。
しかし、首里城が燃えている最中に韓国に出国したかのようにも受け取れる見出しとなっていることがわかる。
この記事中では、知事の帰国を報じた産経新聞の記事を「関連ニュース」として掲載している。一方で「貴重な観光資源の消失を目にしてもお出かけ」といったコメントも載せている。
「Share News Japan」で使用している写真は琉球新報のものとみられる。
その琉球新報の報道によると、玉城知事は「冷え込む韓国の観光市場回復を目指す」ことを目的とする沖縄経済関係者のツアーに参加し、トップセールスするために10月30日に訪韓した。
この記事は、火災発生後の10月31日午前6時半ごろに配信され、5ちゃんねるを中心に拡散。
「保守速報」など複数のまとめサイトが、同様に琉球新報のものとみられる写真を使いながら、「こんなことやってる場合じゃない」「今すぐ帰ってこい」などというコメントともに取り上げていた。
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/shuri-castle
