インド政府は、ことし8月に自治権を撤廃したカシミール地方の州について、さらに統治を強化するため、31日から政府の直轄地にします。領有権を争うパキスタンや、現地住民の多数派を占めるイスラム教徒は、反発を強めることが予想されます。
インド政府はことし8月、カシミール地方で実効支配するジャム・カシミール州について、経済発展を進め、治安を安定させることを目的に、70年にわたって憲法で認められてきた自治権を撤廃しました。
さらにインド政府は、31日からこの州を2つに分割したうえで、それぞれを政府の直轄地にします。
これにより、政府が行政のトップを派遣したり、法律を直接、適用したりすることが可能になるなど、政府の統治がさらに強化されます。
現地では8月以降、多くの治安部隊が派遣され厳戒態勢が続いていますが、29日、過激派による銃撃で5人が死亡するなど治安は不安定です。
また、電話の規制が解除され、交通量が増えるなど正常化の動きもみられますが、依然としてインターネットは遮断されています。
カシミール地方の領有権を争うパキスタンや、現地住民の多数派を占めるイスラム教徒は、今回の措置によって、反発を強めることが予想されます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191031/k10012157811000.html
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