鉄鋼巡る国際会合廃止へ 中国の反対で
日米欧や中国など33カ国・地域は26日、鉄鋼の過剰生産問題を話し合う「鉄鋼グローバル・フォーラム」の閣僚級会合を都内で開き、設置期限を2020年以降に延長することで合意できなかった。
中国が存続に強く反対したためで、同フォーラムは廃止となる。鉄鋼の過剰生産への国際的な対応能力が弱まるおそれがある。
この国際会合は2016年の20カ国・地域(G20)サミットで設置に合意し、日米欧中のほか、鉄鋼の主要生産国であるブラジルやインド、ロシアなどで創設した。
各国が生産状況を定期報告するなど過剰生産を防ぐ仕組みをめざしてきた。
日本からは25日に就任した梶山弘志経済産業相が出席した。梶山氏は記者会見で、今後は中国に対して2国間協議などで対応を呼びかけていく考えを示した。
世界の鉄鋼生産能力は2000年以降に倍増。特に08年のリーマン・ショック後に生産能力の過剰が深刻化した。このため会合では世界最大の生産能力を持つ中国も巻き込み、定期的に対策を話し合っていた。
ただ中国は自国は十分に対応しており、会合は不要だと主張。継続を求める日米欧などと折り合えなかった。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO51456290W9A021C1EA3000?s=3