30年前に中国の北京で起きた天安門事件で民主化を求める学生に理解を示して失脚した趙紫陽元総書記の生誕から17日で100年となり、軟禁されていた自宅には親族やかつての側近などが集まり政治の民主化を目指した元総書記をしのびました。
中国の趙紫陽元総書記は、1989年に北京で起きた天安門事件で、民主化を求める学生に理解を示したことから指導部内で批判されて失脚し、自宅で軟禁された末に2005年に亡くなりました。
趙元総書記の生誕から100年となる17日、軟禁されていた自宅には親族やかつての側近などが集まり、かつて書斎だった部屋に設けられた祭壇に花を手向けて政治の民主化を目指した元総書記をしのびました。
一方で、中国国内で趙元総書記の功績を公に語ることは30年たった今もタブー視され、自宅周辺は大勢の警察官が配置され、人の出入りを監視していました。
趙元総書記が目指した政治の民主化は天安門事件を境に停滞し、その歩みは権力の一極集中を進める習近平国家主席のもとで後退していると指摘されています。
失脚した趙元総書記の名誉回復が行われるかどうかは、中国の政治改革への姿勢を判断する指標とも言えますが、習近平指導部が趙元総書記を再評価する動きは見られず、17日の生誕100年についても中国のメディアは一切、報じていません。
長女「えん罪晴れず悲しい」
ことし1月、趙紫陽元総書記の命日にNHKの取材に応じた長女の王雁南さんは「父のえん罪が30年も晴らされていないことは非常に悲しむべきことです。これは共産党にとっても損失であり、本当は名誉を回復すべきだと政府も分かっているはずです」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191017/k10012136551000.html