「野球に就職する」と退路を断って進路をプロ一本に絞った願いは空まで届いた。名古屋大の松田亘哲は地元中日の育成1位指名を聞くと、ハッピーオーラ満開の笑顔で喜びを口にした。
「自分も愛知出身で、小さい頃から(中日を)応援させていただいていたので、大変光栄に思っています」
黒縁メガネがトレードマークの最速148キロ左腕は、異色すぎる経歴を持つ。旧帝大の名古屋大というだけでも出色の存在だが、高校時代はバレー部で硬式野球は大学から始めた。入学当初は最速120キロ。
どれだけ成長できるか未知数な中で、練習以外にも名古屋市内の整骨院でトレーニングを積むなど、プロ入りへわずかな光を追いかけた。
今秋のリーグ戦では登板全3試合で完投勝利(1完封)。急激な成長曲線を描き「できるだけの援助はするから」と全面バックアップしてくれた両親との約束の地へたどり着いた。
名古屋大からのプロ入りとなれば史上初で、旧帝大からは東大、京大に次いで3校目。高校野球未経験も前代未聞の快挙だ。
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