レバレッジドローン4兆円相当の価値が急落−センチメント転換か
Katherine Doherty
2019年10月10日 14:18 JST
約400億ドル(約4兆3000億円)相当のレバレッジドローン債権が、価値を大きく下げている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、50社余りの企業向けローン債権は、3カ月の間に額面の少なくとも10ポイント相当の価値が失われた。さらに大きく値下がりしたローンもあり、貸し手がローン債権を売ろうとした場合、額面の3分の2を回収できれば幸運という状況だ。
景気が減速する中で、プライベートエクイティ(PE、未公開株)取引や配当支払いなどのために巨額の借り入れを行った企業に対し、貸し手と格付け会社が忍耐を失い、エネルギーやヘルスケア、通信などさまざまな業界の企業向けローン債権の価値が下がった。
ジェネリック(後発医薬品)メーカー、アムニール・ファーマシューティカルズの2025年満期のローン27億ドル相当の価値は8日時点で、額面1ドルに対し約80セントとなった。シードリル・オペレーティングのローンは同約53セント。
ジャンク級のレバレッジドローン市場が本格的に崩れているというわけではないが、リセッション(景気後退)観測を背景に投資家が信用のない企業を敬遠する状況で、センチメントの転換、恐らくは潜在的な市場リスクを反映するものといえる。
イートン・バンス・マネジメントの銀行ローン担当共同ディレクター、 アンドルー・スビーン氏は、「投資家は良好なパフォーマンスのローンを望んでおり、リスクを冒すことに慎重になっている」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-10/PZ54DM6K50XY01
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-18/PQ4TSK6JTSE901