【ワシントン=黒瀬悦成】米ホワイトハウスのミラー副大統領副報道官は6日、ペンス副大統領が中国に関する
政策演説を今秋、ワシントン市内の政策研究機関「ウィルソン・センター」で行うことを明らかにした。中国の
習近平体制による新疆ウイグル自治区ででの人権抑圧や香港情勢などで習体制を批判する内容になるとみられ、
貿易や安全保障に加え、人権・民主化問題でも中国に全面的圧力を加えていく立場を鮮明に打ち出す考えだ。

 ペンス氏の演説は当初、6月に予定されていたが、同月末にトランプ大統領と中国の習近平国家主席との
首脳会談を控え、米中の貿易交渉が一つの山場を迎えていたため、交渉進展を優先させる思惑から延期された
経緯がある。

 ペンス氏は昨年10月にも政策研究機関「ハドソン研究所」で、米政権による中国との「全面対決」を宣言する
演説を行っており、今度の演説はその「第2弾」に位置づけられる。

 ペンス氏は、最近では香港情勢に関し、中国が米国と貿易問題で合意したいのであれば、1984年の
中英共同宣言に基づく香港の自治権を尊重すべきだと指摘し、中国が抗議デモを武力鎮圧すれば「合意は
困難となる」と警告した。

 一方、ポンペオ国務長官は6日、中西部カンザス州の大学で講演し、今月中旬からニューヨークで始まる
国連総会の場で、中国による新疆ウイグル自治区での住民弾圧に関し、各国に「中国糾弾」を呼びかけていく
考えを明らかにした。

 ポンペオ氏は、中国当局の自治区住民らに対する処遇は「今世紀の世界における最悪の汚点になる可能性が
ある」と指摘し、「米国は彼らに自由がもたらされることを望む。ことは彼らの基本的かつ誰にも奪うことのできない
権利に関わる問題だ」と強調した。
https://www.sankei.com/world/news/190907/wor1909070012-n1.html