平得大俣への陸上自衛隊配備計画をめぐり、現在行われている土地造成工事でのり面と擁壁の高さが石垣市の景観形成基準を満たしていないことが22日、分かった。
基準はのり面1b以下、擁壁2b以下だが、それぞれ最大で5b、7.6bと大幅に上回っている。
市は同日、景観形成審議会(仲山久紀会長、12人)の意見を聞いた。「基準を超える理由を明確にすべきだ」との指摘があった。
沖縄防衛局が風景づくり条例などに基づき、市に提出した通知書によると、同局は、すでに取得あるいは賃借する旧ジュマールゴルフガーデン跡地13万3319平方bのうち11万7040平方bを施工範囲としている。
このうち1万926平方bで擁壁、11万7040平方bで切り土(24万9400立方b)と盛り土(36万4900立方b)、3万2650平方bで樹木の伐採を計画する。
工事区域は自然風景域にあり、開発行為に伴うのり面の高さは1b以下、擁壁を設ける場合は地表面から2b以下となっているが、いずれもオーバーしている。
景観審は同日午前、現場を視察した後、市役所で説明を受けた。
委員からは「なぜ基準を超えたのか、どうして守れなかったのかをクリアにしないと意見を述べにくい」
「基準を超える理由を示す資料がない。しっかり分かるようにしてほしい」などと、防衛局側に詳細な説明や資料を求める意見が複数上がった。防衛局側は緑化の対策を示した。
景観審は、基準を満たさない案件について市から意見を求められる第三者機関となっているが、委員からは
「一部だけでなく、建物を含めた全体について意見を述べる場がほしい」などの要望があった。
学識経験者の池田孝之氏(琉球大学名誉教授、沖縄の風景を愛する会理事長)も「(防衛局に)全体の資料を求めることに事務局(都市建設課)は努力を」と注文を付ける一方、
「公共事業の場合は通知するだけでいい。基準を超えていても機能上必要であれば良しとしなければならない」とも述べた。
景観審の意見については、市が防衛局に伝えるが、その後の対応は同局に委ねられることになる。
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